放射冷却の強さを知るため空を放射温度計で測る

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放射冷却の強さ測定

放射冷却の強さを測る方法:空の「冷たさ」を測る

 

私たちが普段意識することのない「放射冷却」ですが、その強さは空を測ることで知ることができます。この現象の強さを定量的に把握するために、私は赤外線放射温度計を用いた測定を行っています。

 

1. 放射冷却のメカニズムと測定の考え方

 

 

💡 放射冷却とは?

 

物体は、熱を赤外線(熱線)として常に放射しています。夜間、地面や建物から放射された赤外線が、途中で遮られることなく宇宙(空)へ逃げていく現象が「放射冷却」です。

 

🌌 空の「冷たさ」の正体

 

空には、何も熱を放射しない「絶対零度(約 )」の宇宙が広がっています。この宇宙空間に向けて熱が逃げれば逃げるほど、放射冷却は強くなります。

しかし、実際に赤外線放射温度計で空を測ると、絶対零度ではなくマイナス何十度という温度が表示されます。この温度は、「空が地上に戻している赤外線の量」を温度に換算したものです。

  • 温度が低いほど(例:)、空が地上に戻す赤外線が少なく、熱の逃げ場として「空が冷たい」ことを意味し、放射冷却は強くなります。

  • 温度が高いほど(例:)、空が地上に戻す赤外線が多く、熱の逃げ場として「空が暖かい」ことを意味し、放射冷却は弱くなります。

 

2. 実際の測定値:マイナス56℃の「天井」

 

実際に赤外線放射温度計で空を測定したところ、という値が示されました。

私たちは、この-56℃という非常に冷たい「天井」の下で生活していることになります。床面のプラスの温度と、このマイナス何十度の天井とが対面することで、常に熱の移動(放射冷却)が発生しているのです。

この現象を効率的に利用し、室内から空に向けて熱を放射することで冷却を行うのが、当ショールームで使用している特許技術の原理となっています。

 

3. 放射冷却の強さを決める主な要因

 

放射冷却の強さを弱める(つまり、空の温度を上げる)主な要因は、空気中の以下の成分です。

要因 影響
水蒸気濃度(絶対湿度) 最大の要因。水蒸気が赤外線を強力に吸収し、地上へ再放射するため、空の温度が上昇し、放射冷却が弱まる。
二酸化炭素濃度 赤外線を吸収し、水蒸気に次いで大きな影響を与える。
その他の温室効果ガス メタンガスなども影響するが、主要な要因は水蒸気と二酸化炭素。