■はじめに:放射冷却と素材選び
放射冷却の実験や装置開発を行う際、使用する素材が「赤外線を透過するのか」、あるいは「反射するのか」という特性を把握しておくことは非常に重要です。
今回は、手元にある板状の素材が「赤外線を透過するかどうか」を、安価かつ簡易的に確認する方法をご紹介します。
■用意するもの・準備
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熱源: ホットプレート(温度は約100℃に設定)
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測定器: 放射温度計
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測定対象: 板状のサンプル素材
■測定のポイント
なぜホットプレートを「立てる」のか? この実験で最も重要な工夫は、ホットプレートを垂直に立てて設置することです。
通常通り平置きにすると、温められた空気(対流熱)が上昇し、その上にあるサンプルを直接温めてしまいます。これでは「赤外線による熱」なのか「温風による熱」なのか区別がつきません。 ホットプレートを立てることで、対流熱を上に逃がし、正面への「赤外線の放射」のみをサンプルに当てることができます。これにより、長時間測定しても熱風の影響を受けず、純粋な透過性を確認できます。

赤外線透過確認方法
■手順と判定方法
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垂直に置いたホットプレートの前に、測定したい板状サンプルを立てます。
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放射温度計を使い、サンプル越しにホットプレートの中心を狙って温度を測定します。
表示された温度によって、以下のように素材の性質を判定できます。
① 室温と同じくらいの場合(透過なし)
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判定: 赤外線を透過していません。
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理由: 温度計は背後のホットプレートの熱を感知できず、手前にある「サンプルの表面温度(室温)」を測定している状態です。
② 室温より高く、100℃より低い場合(透過あり)
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判定: 赤外線を透過しています。
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理由: サンプルを通り抜けてきたホットプレートの赤外線を温度計が感知しています。
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補足: もし透過率が100%であればホットプレートの設定温度(約100℃)と同じになりますが、現実には素材による減衰があるため、「室温 < 表示温度 < 100℃」という数値になります。
■まとめ
この方法を使えば、高価な機材を使わずに、その素材が赤外線を通す性質を持っているかどうかを簡易的にスクリーニングすることができます。素材選びの第一歩として、ぜひお試しください。

赤外線透簡易測定
簡易的に測定した後、正確な波長対透過率のグラフを作るときは工業試験場など公的な試験期間で正確に測定することをお勧めします。
