
夏の昼間、電気代を気にすることなくエアコンを快適に使いたい。その思いから、建物に合計6.75kWの太陽光発電システムをDIYで設置するプロジェクトを進めています。高気密高断熱住宅の性能を最大限に活かすための、自家発電計画です。
現在は、太陽光パネルを載せるための基礎となるアルミフレームを取り付け作業中です。貴重な晴れ間を狙って、まずは設計図通りに寸法が合うか、仮設置して確認しています。アルミフレームが屋根に接触する部分は塗装が剥がれないように、錆びないように、ステンレステープを貼ります。
電力会社への系統連系申請もすでに済ませており、近々許可が下りる見込みです。
今回導入するシステムの主な仕様は以下の通りです。
太陽光パネル: PS450M4-24 (450W) × 15枚 (合計 6.75kW)
パワーコンディショナー: オムロン製 KPW-A55-J4
このシステムの大きな特徴は、パネルの接続方法です。今回はパネルを「6枚直列」「5枚直列」「4枚直列」という3つの系統(グループ)に分けてパワコンに接続します。
建物: 6枚直列の系統を設置
車庫の屋根: 5枚直列と4枚直列の系統を設置
通常、系統ごとにパネルの枚数が異なると、システム全体の発電効率が低下する原因になります。しかし、今回採用したオムロン製のパワコンには、各系統の発電量を個別に最適化してくれる優れた機能(MPPT制御)が備わっています。そのため、枚数が不揃いでも、また建物と車庫という日当たりの条件が異なる場所でも、それぞれの能力を最大限に引き出すことができます。この柔軟性を活かし、限られたスペースを有効活用した設計にしました。
当初は、電力会社の送電網に頼らず電気を完全に自給自足する「オフグリッド」を目指し、蓄電池の導入を検討していました。
実は、6.75kWという発電容量は、そのオフグリッド計画当時に「雨や曇りで全く発電できない日が3日間続いても生活できること」を想定して算出した、かなり余裕のある設計値なのです。
しかし、計画を進める中で蓄電池の導入費用を計算したところ、長期的に見て電気代を節約できるのか判断が難しく、今回は費用対効果を考えてシンプルな「系統連系」を選択しました。
結果的に、発電容量の大きさは当初計画の名残となりましたが、これにより夏のピーク時の電力は余裕をもって自給自足できる見込みです。
ちなみに、机上で計算していたオフグリッドシステムの概算仕様は以下のようなものでした。
当時作成した1日の消費電力の計算シート

消費電力計算
1日の想定消費電力: 12,752Wh(これに力率を考慮し1.25を掛けて 15,940Wh として計算)
無日照日数: 3日間(3日分の電力を蓄える想定)
充放電効率: 0.8(バッテリーの充電・放電ロスを考慮)
必要な総蓄電容量: 38,256Wh
システム電圧: 48V
必要なバッテリー容量: 797Ah (48V換算)
これを実現するためには、具体的に 12V 100Ahのバッテリーを32個(4直列×8並列) 接続する必要がある、という計算でした。この規模のバッテリーを揃えるとなると、費用面で断念せざるを得ませんでした。
快適な室内環境と光熱費の削減を両立させるための挑戦。今後の進捗もまたご報告します!